ライティング
簡易GI(大域照明)アンビエント・オクルージョン
フォトリアルな3DCG作品を制作するにあたって必要不可欠なレンダリング技法である「GI(グローバルイルミネーション)」。Blenderにも搭載されているラジオシティなどがありますが、今回はそのGIの簡易版とも言える「Ambient Occlusion(アンビエント・オクルージョン)」に挑戦してみたいと思います。
簡易GIなだけあって設定も簡単です。各設定を行うインターフェイスの表示は、「Bottons Window」内のコンテキスト[Shading]、サブコンテキスト[World buttons]を選択し、「Amb Occ」タブをクリック。今回設定を行ったのは・・・
「Samples(光線の数)」は大きくすればノイズが減少します。レンダリング時間に影響するのでマシン速度と相談の上・・・。今回は"10"に設定。「Energy(背景色の影響度)」は大きくすれば、オブジェクトの色に背景色が強く影響されます。今回は"1.5"に設定。その他では、「Max Dist(光線の長さ)」「Add, Sub, Both(照明と影の影響度)」などがありますが、当方未確認のため皆さん各自でお試しください。それでは、実際に試してみたいと思います。
まずは、通常通り光源を用意します。先日紹介した「ライティング(光源)の種類」の内、影を発生させない「Hemi(ヘミ)」以外であればアンビエント・オクルージョンの適用が可能です。今回は「Area(エリア)」を使用します。
とりあえず未設定の状態でレンダリングをしてみました。通常の「Area(エリア)」光源のため直接光の当たらない場所は真っ黒です。因みにレンダリング時間は1分12秒。
次にアンビエント・オクルージョンを適用した状態でのレンダリング見本です。直接光の当たらない場所も光が周り込んでおります。レンダリング時間は未設定の場合と比べてかなり多くなり4分23秒。とはいえ、設定も簡単なので非常に使えそうな気がします。
ライディング
ライティング(光源)の種類
3DCGを制作するにあたってモデリングだけでなく、ライティングやレンダリングなどクオリティを左右する工程が幾つか存在します。その中でもライティングは、オブジェクトに光を当て光沢などの質感を表現する重要な工程と言えます。
六角大王以外では、まともに作品を仕上げた事がないので、今回はBlenderでライティングについて学んでみたいと思います。
まずはライティングの基本操作です。新規で光源を作成するには、「Header」から(または「3D View」上にマウスカーソルを移動し[Space]キーを押す)[Add] > [Lamp]で任意の光源を選択します。作成した光源の移動や回転、拡大・縮小はオブジェクトの場合と同じく、[G]キーで移動、[R]キーで回転、[S]キーで拡大・縮小。もちろんマニュピレータでの操作も可能です。
光源の種類は「Lamp(ランプ)」「Area(エリア)」「Spot(スポット)」「Sun(サン)」「Hemi(ヘミ)」の5種類。「Bottons Window」内のコンテキスト[Shading]、サブコンテキスト[Lamp buttons]を選択し、光源の光の強さや影のぼかし具合など各種設定を行います。(そこら辺の詳細設定はまた後日にでも・・・)
一度作成した光源もココで別の光源へ変更が可能です。それでは各光源をご紹介します。
〈Lamp(ランプ)〉
「Lamp」は一点から全方向を照らす点光源で、電球などに近い働きをします。
〈Sun(サン)〉
「Sun(サン)」はシーン全体を同じ明るさで平行に照らす無限遠光源です。名前の通り太陽光のように、果てしなく遠い場所からの光を再現できます。
〈Spot(スポット)〉
「Spot(スポット)」は「Lamp」の光の角度と方向を制限した点光源です。名前の通りスポットライトのような働きをし、演出的な光源としても使用できます。もちろん任意で光の角度も設定可能です。
〈Hemi(ヘミ)〉
「Hemi(ヘミ)」は半球体にシーン全体を同じ明るさで照らす光源で、他の光源と異なるのは影が発生しない点です。補助的な光源として使用できます。(おそらく・・・)
〈Area(エリア)〉
「Area(エリア)」は発光する板のように面積も持った面光源です。面で光を放射するため影の境界線をぼかすのに最も適しています。