ノードエディター
人物(女性)/コンポジットノードでZ深度抽出
人物(女性)のライティング、瞳に映り込むレフ板配置などなど準備が整ったところで、いよいよレンダリングを行いたいと思います。
ポートレートなど一眼レフカメラで撮影した写真でよく見かける、人物など主役にピントが合っていてその他の背景などはボケている、そのような被写界深度を設定した仕上がりにしたいと思います。
ということで、上記画像が今回のコンポジットノードの見本です。詳しくは以前投稿した「コンポジットノードで被写界深度」をご参照ください。
上記の設定で一応完了ですが、今回はZ深度を別にレンダリングし、Photoshopなどの画像編集ソフトで被写界深度を設定したいと思います。
とりあえず、「Render」内[Post Processing]の[Compositing]を無効にしてレンダリング。一先ず、上記画像のような全体にピントがきている状態のものを保存します。
続いてZ深度を書き出します。上記のコンポジットノード見本では、現状[ColorRamp] > [Blur] > [Composite]とノードが繋がっていますが、[ColorRamp]から直接[Composite]へ繋ぎ変えます。後は、先程無効にした[Compositing]を有効にしレンダリング。そして保存します。
因みにコンポジットノード見本の[Backdrop]表示で判る通り、かなりのジャギーが発生していますが、このような場合は「Render」内[Anti-Aliasing]の[Full Sample]を有効にすると解消されます。
先に書き出した全体にピントがきている画像に対し、書き出したZ深度をPhotoshop上でマスクとして使用し[ぼかし(ガウス)]を設定すれば完成です。Photoshopでの設定など詳しくはまた後日にでも・・・。
> 仕上がり見本はこちら
最終的にPhotoshopなどの画像編集ソフトで色調補正などを行う場合がほとんどなので、個人的にはPhotoshop上での被写界深度設定の方が、ボケ具合を調整し易いなどの理由もあり好みではありますが、レンダリング後の色調以外のレタッチは好まれないケースも多々ありますので、皆さんはお好みでどうぞ。
他にも今回レンダリングした2枚の画像を再度コンポジットノードで読み込み([Input] > [Image])、同様に[Blur]ノードに繋ぎ、被写界深度を設定する・・・なんて方法もあります。
レンダリング
人物(女性)のレンダリング〈瞳に映り込むレフ板配置〉
人物を制作するにあたって重要となる"瞳"。以前六角大王Superのカテゴリーで投稿した「潤いのある瞳」とは別の方法で潤いのある生命感あふれる瞳に仕上げてみたいと思います。
今回は、グラビア撮影などでもよく見る瞳に映り込むレフ板を再現してみたいと思います。因みにレフ板とは、撮影の際太陽光やストロボなどの直接光を反射させ間接光として利用するための板です。
とりあえず4枚の板状ポリゴンを用意します。もちろんレンダリングした際に入り込まないようカメラビューで確認しながら配置します。
本来は「Area」ライトを用いる方が良いのかもしれませんが、Lampではシーン内の明るさに影響を及ぼしてしまい既存のLampの再設定が必要となり何かと面倒なので、影響が出ないようマテリアルの[Emit(自己発光)]を設定し間接光(風)にしたいと思います。
因みに"ラジオシティ"にてレンダリングする際は、[Emit]でも光源として機能してしまうのでご注意を。
今回は4枚の板状ポリゴンの内、上部2枚のEmit値を"2.00"に、下部2枚を"1.00"に設定し少し変化を付けました。(実際、効果は無かったようで・・・)
後は、眼球に映り込む位置を調整し、テストレンダリングで確認。・・・の繰り返しです。そんな時は効率よく作業を行うために部分レンダリングがおすすめです。
瞳に映り込むレフ板の有無を比較したものがこちら。とりあえず、一番外側の角膜の質感は良くなったように思えます。
実際のグラビアでは、今回のように2×2枚で並べる場合以外にも、長方形のレフ板を上下に2枚配置するなど、様々な配置の仕方があるようなので今後も色々試してみたいと思います。
レンダリング
部分レンダリングで作業効率アップ
3DCG制作において、モデリングなどにかける作業時間と同等にレンダリングの待ち時間というものがかなりの割合を占めてきます。試行錯誤をしてクオリティを追求するにはどうしても避けられないこの時間。
レンダリングのサイズやクオリティを落としてのテストレンダリングなどいかに効率良くレンダリングコストを削減できるかが重要です。1つの対策法として必要な箇所だけ行う「部分レンダリング」。部分的な変更を確認する場合など、とても有効な機能です。
まず、「Dimensions」内の[Border]を有効にします。
続いて、3D View上で[Space]+[B]キーを押すと上記画像のようにマウスカーソルが十字の点線に変わります。後は必要な箇所を選択してレンダリングを行います。
これでかなりの時間短縮になります。部分レンダリングの解除は、先程有効にした「Dimensions」内の[Border]を無効にします。
因みに2.4系で搭載されていた[Render Preview]機能は、2.5系では排除されてしまったのでしょうか?それとも私が見つけられないだけ・・・?
Blenderについて
解説本「Blender2.5マスターブック」本日届く!
6月2日に発売された現時点最新バージョン2.57の解説書「Blender2.5マスターブック」。ネット注文していた本書が本日やっと届きました。
著者は「月刊Windows100%」にて連載のBlender特集でもお馴染みの藤堂+さん。4,800円と少々値は張りますが、全400ページフルカラーで基本的な機能から流体シミュレーション、ソフトボディといった中級者向けの機能まで網羅されており、充実した内容になっていると思います。以前紹介した「Blender 3DCGパーフェクトバイブル」で掲載されている各機能がさらに詳しく解説されているといった感じです。
個人的には2.4系から2.5系への移行に少し不安を感じていたので、これでひと安心です。Blenderに限らず3DCG全般の専門用語についても多少解説されているようなので、初心者の方にもおすすめです。
それにしても、今回"楽天ブックス"で購入しましたが、発売日の6月2日注文にも拘らず、本日16日に届くって・・・!?楽天ブックス、出版社どちらに問題があるかはわかりませんが、さすがに遅過ぎです。もちろん私だけではなく他の購入者の方々も同様のようで、その旨、楽天ブックスWebサイトのレビューでも書かれておりました。本書の内容に関係なく評価は最低となっており、内容が素晴らしいだけに非常に残念です。
ライティング
人物(女性)のライティング
一応、人物(女性)の髪の毛が完成しましたので、少し気合を入れてレンダリングしたいと思います。それにはまずそれなりのライティングを用意する必要があります。
先日より学習していた「撮影スタジオのライティングを再現」を元に、今回のモデルの形状に合わせ若干調整を加えつつ、ライティングを行ってみたいと思います。
用意した光源は3点。上記画像のように配置しました。
各光源別にレンダリングした見本と3つの光源で同時に照らしたレンダリング見本がこちらです。①が主要な光源で「Hemi」ライトを使用。②は輪郭を浮き上がらせるための光源で「Area」ライトを使用。①のメインライトより光を強めに設定しています。③は①、②によって出来た陰影を緩和させるための補助的な光源でこれまた「Hemi」ライトを使用。
以上3点の光源によるレンダリング見本はこちら
それにしても、影を生成しない「Hemi」ライトは時としてとても使い易く、今回も多用してしまいました。(しかもメインライトとして・・・)リアリティを追求するなら、改良が必要かと思われます。とりあえずライティングは今後の課題です。